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[コメント] 我が道を往く(1944/米)

大好きな映画。これほど臆面もなく人間の善良さが描かれていながら、そして物語の中にトラブルを発生させる仕方に作為の跡が目立つにもかかわらず、それらがまったく鼻につかないというのはあるいはキャプラ以上かもしれない演出技量のためだ。気取りがない。衒いがない。だから笑える。だから美しい。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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ビング・クロスビーがスウェット姿でバリー・フィッツジェラルドと対面するシーンなんて腹を抱えて笑うし、金貸しの息子が出征するシーンではその展開に虚をつかれて茫然となってしまう。ラストもすばらしく感動的だ。フィッツジェラルドとさらに老年の母親の再会!

しかし私が最も好きなのは、クロスビーが悪餓鬼らを使って聖歌隊を組織するシーンだ。野球のサインよろしく指示を出して少年らに和音を奏でさせ、“Silent Night”を歌唱する。少年らは自分たちが生み出した調べの美しさに感動し、音楽に目覚めはじめる。これほど音楽の「教育」を正しく美しく描いたシーンに出会いながら涙しないでいることは私にはできない。さらにその直前には超連続往復ビンタという爆笑演出までもがあるのだ。本当に宝物のようなシーン。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)shiono ゑぎ[*]

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