[コメント] 消されたヘッドライン(2009/米=英)
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ほかにも、事件の目撃者が殺される病室のシーンはその狙撃の唐突さにおいて優れており、ラッセル・クロウが殺し屋に追われる駐車場シーンは見事な緊張感を持続させている。もちろん、たとえば後者のシーンではクロウと殺し屋の位置関係の見せ方など誉められない部分もあるし、また私と相性の悪いロドリゴ・プリエトは全般的に無駄な小細工を弄しがちだが、アクション・シーンの演出は総じて水準以上だ。
女優は皆すばらしい。色っぽい。レイチェル・マクアダムスは利発な少女といった風だが、働く人の色気が出ていて二重丸。好きになっちゃいました。ロビン・ライト・ペンは云わずもがな。ヘレン・ミレンは白髪のほとんどおばあちゃんだが美形というか、格好いい。さらにはジャンキー少女や黒人女性検死官などワンポイントの出演者に至るまで私のストライク・ゾーンのコーナーを突いてくる。一方、クロウとベン・アフレックは決して好きな俳優ではないが、やっぱり巧いものだなと感心する。
事件を矮小化するようなどんでん返しも嫌いではない。単純な大団円の回避は、CCRをバックにして新聞の印刷過程を見せるエンド・タイトルバックに複雑な情感をもたらしている。まあ、もともと機械だけが動いている無人の工場シーンは好きなのだけれども(アキ・カウリスマキ『マッチ工場の少女』のマッチ工場。ジム・ジャームッシュ『ブロークン・フラワーズ』の郵便局。アラン・レネ『スチレンの唄』のプラスチック工場。など)。
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