[コメント] 掠奪の町(1941/米)
ともにデビュー二年目ころのウィリアム・ホールデンとグレン・フォード。後年に備える風格を予感させるところは微塵も持っていないが、両名ともびっくりするほど現代的なハンサム顔だ。だってブラット・パックの一員だよ、なんて耳打ちをされたら思わず信じてしまいそうだ(と、これはさすがに筆滑り)。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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取り立てて「再評価しよう!」などと気負うほどの出来ではさらさらないけれど、若々しい明朗さが好ましい西部劇だ。まずキャラクタがよい。恋愛映画として見るにはそれらしき細部を欠きすぎているが、じゃじゃ馬と乙女の絶妙な按配を演じたクレア・トレヴァーの好感度は高い。悪役の歯科医エドガー・ブキャナンも笑いどころの多くを積極的に担うなどユニックな造型と云ってよいだろう。中途まで彼を悪役と認識することができなかったほどだ。
馬や馬車の快走を捉えた撮影班も上々の仕事ぶりで、特に終盤のアクション・シークェンス、屋根の上を移動するホールデンと地上の追っ手との間で銃撃が交わされるあたりの画面捌きはジョージ・マーシャルが達者な演出家であったことをよく伝えている。
また、無二の親友同士が敵味方に別れて争うことの悲劇も語られていないではないが、そこには一向に重さも湿り気も伴ってこない。このような現代の感覚からするといささか拍子抜けするほどあっけらかんとした軽さもまた私には好ましい。
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