[コメント] モンテ・ウォルシュ(1970/米)
撮影者としてのほうが知られているであろうフレイカーの監督作。この七○年代はじめの西部劇はタイトルバックからしてまさに七○年代の青春映画のように撮られている。それも西部開拓時代の終わりと青春の終わりを重ね合わせて。
ムード醸成の大部分を音楽に頼っているのは決定的にまずいし、リー・マーヴィンとジャック・パランスの存在感が作品の青春映画的な佇まいと適合しているとも云いがたい。夜のロデオ・シーンをはじめ意欲的な撮影も認められるが、それが功を奏しているかどうかは判断に迷う。
しかし、これはそう簡単には見捨てられない映画でもある。私にとっては、それはまず何と云ってもマーヴィンのためだ。彼の類まれな身体と顔面は映画を支えるにじゅうぶんであり、加えてジャンヌ・モローとのシーンでは実に繊細な演技を見せてくれる。彼の存在感が作品の青春映画的な佇まいと適合していないと云ったが、それでもここでマーヴィンが体現する「切なさ」はやはり有効だ。
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