まず何よりキャストがとにかく楽しんで演じているように見えるのは、とても素晴らしいことである。その意味においては、見ているこちらにも楽しさが十分伝わってくる作品であった。

ストーリーは、ラストをかなり強引に纏めており、尻すぼみになった感が否めない。その分、エンドロール前に歌唱シーンを強引にねじ込んで観客に納得させている。手法としてはアリだと思うが、あまり評価はしたくない。

最後に歌唱力だが、サム(ピアース・ブロスナン)とスカイ(ドミニク・クーパー)の２人はミュージカル映画で本来要求されるレベルには達しておらず、戦力外と言わざるを得ない。ミュージカル映画は演技よりも歌のうまさが重要でそれを損なうと全体の評価も下がる。それは強調したいところである。

(2009.03.01 TOHOシネマズ川崎)