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[コメント] パブリック・エネミーズ(2009/米)

マイケル・マン、きっと撮影しながらニヤニヤしてたのだろう。街並み、音楽、銃、車…全てが男のロマンに満ちている。そしていつものごとく、女は置いてけぼり。96/100
たろ

**ネタバレ注意**
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マイケル・マンの「オレはこれがやりたかったんだ!」という歓喜の絶叫が聴こえてきそうな映画。しかしマン映画ファンの自分はそれに共鳴し、同じく心の中で絶叫してましたよ。

手ブレカメラで臨場感を出し、美しい街並みにはその場の空気の匂いまで感じそうなほど。夜の森なんかにゃウットリしました。1930年代の雰囲気がバッチリ再現されていて(その時代に生きてたわけじゃないけど)映画の世界にどっぷり浸れたワケだから、映像の点では満足度がかなり高い。

ジョニデにしか興味ないんかってくらい彼をカッコ良く撮ってるし、マリオンには興味ないんかってくらい適当に撮ってるのもマンらしい(そしてロマンス部分も適当)。それに加え、マンがこだわる銃。トミーガンが非常にカッコよく撮れており、乱射時の音の低さもたまらん。壁、車、木に弾が当たる音まで五感を刺激する。

こうしてマンのニヤニヤが目に浮かびまくる140分だが、デリンジャーが国内での知名度が低すぎるため日本人にはジョニデとトミーガンのプロモーションビデオに近いんじゃないか。実際、デリンジャーが民衆から人気だったと示唆するシーンも、当時の銀行の立場も、彼が人気を落としていった原因も描かれてはいない。そのため、パブリックにはウケが悪いだろうけど、マンのファンにとってはかなり楽しめる作品じゃなかろうか。そう言う意味では、高評価者は大衆にとってパブリックエネミーズ?

(評価:★5)

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