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[コメント] ガタカ(1997/米)

人間の可能性を確率によって否定してはいけない。それを教えてくれるこの映画はまぎれもなく人間賛歌。
terracotta

まずこの世界観を具現化して見せたところに賛辞を呈したい。現代とそれほどかけ離れてはいない建造物や造形物にほんの少し先の未来を感じさせてくれた。それは色のせいかもしれない。アスファルトの路面さえもなぜか金属的に見える。それからなんだかよくわからないいろいろな道具たち。これらがなければ、ストーリーそのものの信憑性もすこしゆらいだかもしれないとおもう。あらためて映画の中でのセット・小道具・衣装の重要性を認識した。

宇宙へ行きたいという子供のころからの夢。それは傍から見ているととても他愛のない、しかし実現可能性がゼロというわけではない、誰でも持っている夢だと思える。それが、限りなくゼロに近い、ではなくてまさにゼロそのものとなってしまう世界には危機感を覚える。確率で人間の可能性を否定する権利は誰にもないのに。

さて、この映画についての感想は、上記のコメントにつきるわけだがこの映画の中ではいろいろと発見があってとても楽しかった。まずユマ・サーマン。彼女は美人なのかそうでないのかかねがね判別しかねていたのだが、ベッドの中で甘えてビンセントを見上げる目つきが、うさぎさんのようでとってもかわいかった。これはとても意外なことだった。ジュード・ロウはかねがねすごい役者だと思っていたけど、この映画ではまさに舌を巻いた。気難しくプライドが高い体の不自由な元スポーツ選手を演じ、最後には静かなあきらめをさえ感じさせるすばらしい演技だった。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (8 人)シーチキン[*] リア ウェズレイ[*] ことは[*] 24[*] Pino☆[*] ジャイアント白田[*] makoto7774[*]

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