[コメント] ショーシャンクの空に(1994/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
なんと素晴らしい記憶に残るシーンの多い映画なのだろうか。
自分の能力と勇気を振り絞って刑務所の警備員からの信頼を勝ち得る。その際、仲間のために仕事のあとのビールを報酬の代わりにもらい、仲間の飲む姿をただぼんやりと見つめている。自らは酒を止めているというのに。
図書を充実させる為に週に一回必ず手紙を書く。オペラを刑務所内に流し、皆を癒させる。人が癒されるとはあのようなシーンを言うのだろう。その際、違反だとわかっていても、独房に入れられることが判っていても、更に警備員の前でボリュームを上げる。(これはティム・ロビンスのアドリブだったらしいが。)その後、レコードを聴くコーナーが設けられていることが後のシーンでわかる。
刑務所の仲間に高校の卒業資格を取らせるために奮闘する。
チェスの駒を造り趣味の充実を図る。
刑務所長のためにマネーロンダリングを手助け最後には脱出した後に裏をかいて金を引き出す。その際、所長が聖書が愛読書であることで信頼を得、その聖書をハンマーの隠し場所にしていた。聖書も人の役に立つことがあるんだとの強烈な皮肉。
老囚人のブルックスを見るまでもなく、これは刑務所の話ではなく身近な社会の話だとわかる。刑務所を学校、会社、地域社会、イエだとすると最初イヤイヤだったのが慣れてくるにしたがってその場所が居心地良くなる。そこでしか生活できなくなり、自由を奪われ、希望を失う。
主人公のアンディは希望を最後まで失わず、なおかつ今居る状況を愚痴を重ねるだけでなく、ただ慣れるだけでなく、〈刑務所内)改善しようとしていた。
レッドはアンディがいなければブルックスと同じ運命だったろう。しかし、彼にはアンディがいた。友情によって救われている。
Fear can hold you a prisoner, hope can set you free.
「恐れは人を囚人にし、希望は人を自由にする」
この映画のポスターに書かれたこの一文ほどこの映画を表しているものはない。
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