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[コメント] 遠い空の向こうに(1999/米)

「現実」をベースにした映画の割にはリアリティがなさ過ぎる。特に「炭鉱産業」の描き方がズサンだから、クリス・クーパーが薄っぺらに見える。
シーチキン

かつての花形産業であった石炭産業はこの時期には、すでに石油産業にとってかわられ、石炭の埋蔵量など関係なしに、廃業に向うことが「選択」された産業である。

そのことを抜きにこの時期の石炭産業を描いているから、どうあがいてもこの映画の中ではクリス・クーパー演じる頑固な父親の炭坑夫は、いくら本人が「この街のためには炭坑が必要だ」みたいな台詞を口にしても、結局の所は没落産業と運命を共にする、時代遅れの哀れな人間にしかならない。

だからのその息子のロケットへの憧れも、つまるところは「未来のない石炭産業と未来に向う宇宙産業との比較から生まれたのか?」としか感じられない。

だが彼らが何回か失敗しながらロケットを飛ばすシーンは、高校時代の友人が手製のロケットづくりに挑戦し何度か、学校中に大音響を響かせ、ついにはその現場を教師に押さえられ(しかも間の悪いことに部外者だった私はたまたま見物にいっていてとばっちりをくいそうになった)、頓挫したことを思い出させて、少しだけノスタルジアに浸ることができた。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ぽんしゅう[*] ボイス母[*]

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