[コメント] 浪人街(1957/日)
赤牛が劇中何度も唄う小唄というか即興の詩吟はなかなかのもので、昔の役者さんはこういう芸はしっかりできていたのだなあと再認識した。しかし、全体としてはまとまりのない話になっている。
古いフィルムで一部損傷していたのか、上映時間110分とあったが、予定より10分以上早く終わった。一部、ストーリーがはしょりすぎている所があったが、ひょっとしたらフィルムが飛んでいるのかもしれない。まあ、古い映画なのだから仕方がないか。
浪人たちと旗本たちとの揉め事、としか言いようがない中身だし、登場人物はなかなかユーモラスというか、明るい感じだし、コミカルな部分も多いのだが、一方で仕官に悩む兄のために身を売ろうとする妹など、浪人の悲哀を描いているようでもある。
そういう意味ではかなり中途半端な感じを受ける。人情モノとしても、ピカレスクロマンとしても、胸のすくようなところがない。大人数の活劇だけはそこそこ見れるが、そこしか見せ場がないというのでは、短縮された上映時間でも、長く感じられる。
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