コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男(2019/米)

とりあえずテフロン加工のものを使うのはやめようと思った。
シーチキン

我々はいつの間にか、世界に名だたるような巨大企業は、ちょっとした問題はあるかも知れないが、基本的には人にとって良いことをしていると思ってきた。しかし、それには、その当の大企業の自己表明以外は何の根拠もないことを本作を見て思い知った。

本作はおよそ20年にわたる巨大企業との、まさに闘いを描いている。そして闘っているのは住民・弁護士の側だけではない。巨大企業の側もあらゆる手段を弄し、ちゃぶ台返しまでしてでも自らの利益を守ろうと闘っている。

その凄まじい緊張感が全編を通してスクリーンにみなぎっており、この点からも、サスペンスとして良い映画になっていると思う。

またティム・ロビンスもいい演技をしている。なぜ企業側と言われる弁護士事務所がデュポンを相手に闘ったのか、短いシーンながらもしっかり示した場面は本作に厚みを与えている。調べられてきた事実にしっかり目を通せ、産業の未来を守れ、このことをはっきりと主張する姿勢は、同時に米映画界の未来と健全さを示していると思う。

マーク・ラファロの地味だが誠実さが伝わってくる芝居も良かった。余談だが、アン・ハサウェイは最初に登場した時はおばさんになったなあと思ったが、物語が進むにつれ、特に終盤は、何だか若返ってきれいになっていったように見えて、ちょっとうれしかった。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)ペンクロフ[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。