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[コメント] 2010年(1984/米)

凡人の私は、この映画を見てこそ、キューブリック万歳!と声を大にして言える。ただ、ミニチュア特撮を駆使した本作は、CG全盛の今こそ再評価されるだけの魅力を備えている。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







キューブリックの『2001年』から16年。この歳月をどう見るか。ようやく時代がキューブリックのイメージの具現化に近づいたと見るか、それともなおキューブリックのイメージに遠く及ばないか。答えは個々によって別れるだろう。

でも、技術の及ばない部分を自らの創造力によって完全にカバーしうるキューブリックの圧倒的な力は、この映画を見ることによって、はっきりとわかった。その点だけでも、この映画は見る価値がある。

その上でこの映画は、さすがにアーサー・C・クラークとうならさせるだけの、太陽系の惑星科学の最新の到達を踏まえている。

なぜ木星が太陽になりうるのか、詳しい話は省くが、この太陽系は、ひょっとしたら現在の太陽と、太陽と化した「木星」による二重恒星系として存在してもおかしくなかった、いやむしろ、そういう二重恒星系とならなかった方が不思議だというのが、太陽系を含む恒星系の研究の、ひとつの到達点である。

そういうものとして見れば、全編を科学によって描いた、堂々の本格SF映画として十分価値のある一本である。

(評価:★5)

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