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[コメント] 怒りの荒野(1967/伊=独)

「これぞガンマン」という様式美をたっぷりと見せつけながら、それだけにとどまらない苦い味のラストが最高にしびれる傑作。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







余裕綽々のリー・ヴァン・クリーフの一挙手一投足のすべてが、まさに「ガンマン」そのもの。骨の髄まで響くカッコよさにあふれている。

それに、序盤に町中から売春婦の息子と蔑まれながら、わずかなきっかけで一気に変貌するジュリアーノ・ジェンマも出色。

途中の「奴を狂犬にしたのはあんたらだ」や、最後の「殺しは覚えたらやめられない」というリー・ヴァン・クリーフの台詞がいちいち決まっている。それらがあるから、一見ありきたりな銃を投げ捨てるラストが、苦い味を残す。

汚いガンマンの世界を堂々と描いて、西部劇の醍醐味を存分に堪能できた。

(評価:★5)

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