大筒を撃ちまくるシーンは、単なる火薬爆発を効果音でそれらしく見せるだけが大半だった。

しかしワンカットだけだが、手前の大筒が発射して、画面奥の遠くの山肌に着弾して煙を上げるシーンがあった。このシーンだけはびっくりした。背景の山も本物のようだったし、時代を考えれば凝った特撮とも思えないから、大筒の後ろから、その前方、少なくとも100メートル以上は離れた山肌を、ワンフレームで捉えるカットにしたうえで大筒発射と着弾のちょっとした時間のずれを合わせて、その山肌で火薬爆発を行ったのだろう。

これだけ広面積と長距離をワンフレームに入れて大筒の砲撃を見せるなんていうのは、大作戦争映画でもめったにお目にかかれないシーンだけに、ちょっとびっくりした。