主人公のブリジットが最初にフランシスの家を訪問する際、二階の窓の向こうにフランシスの顔が見える仰角ショット。ブリジットが帰る際も、同様の構図のショットが反復される。これがいい。

　また、プロット展開について云えば、本作は直截的な、女性の生理、もしくは出血に関する映画だと云えると思うが（その出血には男性も深く関わっている）、もう少しシンボリックな見方をすると、液体についての映画、と云うこともできるだろう。出血はさまざまな場面で画面化されるが、例えば、フランシスがストローラー（乳母車）から飛び出して手を擦りむいた際にも出血が描かれる。こゝは、ブリジットとバンドエイドを貼りあう、心を通わせる良いシーンを導く。他の液体では、池にはまるシーンがある。最初にフランシスがはまり、サンダルを取るためにブリジットもはまる。シャワーのシーンも２回ある（ブリジットと、男友達のジェイス）。そして、フランシスの弟（新生児）は、教会での受洗式で、頭部に水を注がれるのだ。こゝもこのあと、教会の告解室で、ブリジットがフランシスに告白をする、というタイトルの意味が出て来る良い場面を導くことになる重要な部分だろう。

　宜しくないと思った部分もあげておくと、ギター教室の講師との場面は浅薄に感じた。ブリジットとの視線の交錯は、完全に一目惚れの演出がされているのだが、なんかドキドキ感のない見せ方だと思う。というか、ブリジットの視線と表情があからさま過ぎて宜しくない、と思ったのだ。彼女のある種の性向を表現しているのだとは思うが。あと、ラストシーンのフランシスの科白は、面白いが、ちょっとワザとらしいと思う。いかにも大人が考えた科白というか。