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[コメント] ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス(2022/米)

開巻いきなりクライマックスレベルのアクションシーンから始まるパターンでワクワクする。逃げるスティーヴン・ストレンジ−ベネディクト・カンバーバッチと少女(後でアメリカ・チャベスという名前だと分かる)。
ゑぎ

 「ヴィシャンティの書」とかいう物をめぐって戦う相手は、触手の怪物だ。この後、クリスティーン−レイチェル・マクアダムスの結婚式を挟んで、出現する一つ目の蛸の怪物が、開巻シーンと呼応するというのもワクワクする。

 唐突に可愛い男の子2人と一緒に登場するエリザベス・オルセン−ワンダ。彼女の林檎農園のシーンが美しい。本作は、ほとんどワンダのモチベーションでプロットが駆動(及び収束)する。このモチベーションは、我が子を思う親の立場としては、とても切ない。途中から、私はオルセンが主役だと思いながら、この映画を見た。それに、メチャクチャ強い。結局、彼女を倒すことは誰にもできないのだ。その強さをまず示すのが、カマー・タージ(ウォンの砦)での闘いのシーンだが、こゝで、鏡の部屋とその脱出の表現がとてもいいと思った。さらに、スティーブンとアメリカの二人がマルチバース「アース838」へ行く過程の描写、表現力、これがカッコいい。結局、このカマー・タージの場面回りが、一番驚いた部分かも知れない。

 あと、私は活劇の中で主人公側が恐怖に駆られて逃げるしかない、というシチュエーションが大好きなのだが、そういう意味で、博物館の地下通路を延々と逃げる場面が好きだ。『エイリアン』で宇宙船の通路を逃げ回るリプリーみたい、と思いながら見た。サム・ライミファンは、ピザボール売りの扱いや、スティーブンが魔術書ダークホールドを使って憑依(ドリーム・ウォーク)する対象の演出なんかが楽しいところだと思う(確かにお腹いっぱいになる満足感がある)。

(評価:★3)

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