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[コメント] 愛なのに(2022/日)

面白い!何と云っても、本作の河合優実は絶品の可愛らしさだ。やはり、彼女に告白した男子が、瀬戸康史の古本屋へ来て、食ってかかるシーンが一番笑えたのだが、こゝのハンカチに関する演出が、ぶっ飛んでいるからだ。白髪の常連客の絡み方もいい。
ゑぎ

 また、瀬戸康史の想い人−さとうほなみが、ブライダル会場で「いつくしみ深き」のオルガン演奏に、引き寄せられるように教会に入って行くシーン。神父が「下手?」と云う部分にも笑ってしまった。「御心のまゝに」の意味を取り違えるのはワザとらしいが(というか、キリスト者でもない者に、唐突に、御心のまゝに、としか云わない神父がヘンなのだが)、瀬戸のところへ向かうバスの中でも「いつくしみ深き」のメロディをハミングしている、といのも、彼女の心性が表現されていて(お墨付きをもらった感覚というか)、面白いと思う(少々不遜な表現とも思うが)。

 もう一人、ブライダル会場の担当者、メガネ女子の熊本さん−向里祐香もいいですねぇ。彼女の存在の複雑さが本作に奥行きを与えており、正直、中盤までは、彼女が一番のもうけ役かと思いながら見ていたのだが、後半、さとうほなみも、ファイト溢れるシーンが目白押しになるし、終盤、向里祐香が、下手下手と何度も云うシーンはクドくてつまらない。それこそ下手なコントみたいだと思った。ついでに云うと、河合優実の父母のシーンも興醒め。作劇臭い。瀬戸の「愛を否定するな!」という科白は良かったが。

 あとは、さとうほなみの婚約者役−中島歩が本作でも安定した仕事ぶりで書き留めておきたい。そして、瀬戸康史と河合優実の帰結の明朗さ、屈託のなさも良いと思う。清々しい。

#瀬戸がまだ読み終わらない本は、チャンドラーの「長いお別れ」か?

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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