[コメント] アス(2019/米)
大ボラ吹き映画として楽しく見られる。細かいところにツッコミを入れても仕方がない映画だ。ウサギの顔から、ゆっくりカメラが引くと、ケージが沢山ある部屋、というこの被写体をクレジットバックに選択する意思決定がジョークのようなものだろう。
外に家族がいるよ、という科白があり、敷地の入口あたりに手をつないで立っている4人のロングショットが繋がれる部分が、一番ワクワクするところか。あと、エリザベス・モス(白人家族の中のお母さん)の分身が、化粧して笑う場面も好き。しかし、この白人家族は弱すぎる。逆にルピタ・ニョンゴの家族が強すぎる(お父さんも思ったより強い)のは、ご都合主義に思えて来るが、そんなことを云っても仕方がない。
画面造型で最もキャッチーだったのは、終盤でウサギのケージのある部屋が再登場した後、右に分身のアップ、左奥にルピタ・ニョンゴが映る画面だ。極端なディープ・フォーカス(というか、ディープフォーカスに見せるコンピュータ処理のカット)。こゝまで歪な画面設計はちょっとない。サミュエル・フラーでありそうだが。
あと、オチはつまらないと思う。見せ方、繋ぎ方がヘンなので、つまらないと感じてしまうのだろう。素直に山林の空撮カットで閉じても良いのに。『鳥』っぽくて。
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