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[コメント] グランド・キャニオンの対決(1959/米)

ほとんど完璧な映画じゃないか。全編、なんと端正な構図とカッティング。そして美しい色遣い。最高のシネマスコープというべきだろう。ヒロイン−ヴィクトリア・ショウの容姿自体も綺麗だが、彼女の衣装がまた素晴らしい。鉱山跡のシーンの真紅のワンピース。保安官事務所を訪ねて来た際の小さな花柄のドレス。
ゑぎ

 クライマックスのバケット(「踊るバケット」と呼ばれる、峡谷をケーブルで渡す、箱型の乗り物)の演出も奇跡的な完成度だ。スタンドインによるロング・ショットと、俳優が演じるスクリーンプロセスを背景にしたカットのアクション繋ぎが完璧なのだ。しかも、いずれも後景に並走飛行するヘリコプターが映っているというのが凄い。

 あと、脇役では、エドガー・ブキャナンが主人公コーネル・ワイルドの上司役で、とても存在感がある。酒場の主人のミッキー・ショーネシーは一人オーバーアクト気味。そして、バケットの運行業務を行う男としてジャック・イーラムが登場し、その独特の風貌でもって犯罪映画の雰囲気を十二分に盛り上げる。

(評価:★5)

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