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[コメント] 最強のふたり(2011/仏)

全て想定内のラストに向けてしっかり進み続けていく佳作。ドリスと出会ってからフィリップの笑顔が次第に増えていく。Earth, Wind & Fire が流れるシーンはどちらも印象的。ふたりの距離がどんどん詰まっていく過程が丁寧に描かれた脚本も良い。面白かったら難しいこと考えずに笑えばいいと思うよ。物語の核はそこじゃない。
IN4MATION

**ネタバレ注意**
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ドリスはよい働き口をみつけたと思うし、フィリップもよい介護人と出会えたと思う。

雇用される側、雇用する側、お互いが燻った環境・現状から抜け出せたのがよい。

実話ベースなので仕方のないことだが、ラストまで想定の範囲内で驚きはない。

だが、身体障害者モノとしての暗さは全くなく、むしろドリスのユーモアで笑える作品に仕上がっている。

特に「身体障害者の居る場所は?」「置き去りにされた場所」や、画廊での「このチョコレートは健常者用 だからフィリップにはあげられない」といったブラックユーモアが利いた会話を身障者のフィリップがむしろ楽しんでいる点が面白い。

他にもフィリップの誕生会に呼ばれた楽団にいろいろなクラッシックを演奏させ、ドリスがそれに対して感想や曲名をテキトーに答えていくシーンは腹を抱えて笑った。

ラスト近くの髭剃りは異常に笑える。笑

フランス人のドイツ人独裁者に抱く感情ってどんなものなんだろう?そこを理解できていなくてもふたりの雰囲気で笑えてしまう。

耳でしか感じられないと言っていたフィリップ、エンドロール前のテロップで再婚して子供ができたってあったけど、デキるんじゃん?笑

いろいろと不備な点はあると思う。貧富の格差、職業の貴賎、身障者の介護の大変さ。

けど、これは笑う映画であって問題提起している映画ではない、と思った。

面白かったら難しいこと考えずに笑えばいいと思うよ。物語の核はそこじゃない。

(評価:★5)

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