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[コメント] カラーパープル(1985/米)

いつも「オレたちが一番」と思っているアメリカに投げつけた挑戦状。スピルバーグのアイデンティティをもっとも感じる。
きいす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







白日の野に戯れる2人に始まり、落日の野に戯れる2人に終わる、スピルバーグのシャープな演出。彼が愛する「アラビアのロレンス」の影響が伺える(バイクで始まり、バイクで終わる)。 カミソリのアップひとつで、主人に対する憎悪、殺意、ためらいをすべて表現してしまう。 クライマックスは、娘が神父である父親の教会に、帰ってくるシーン。歌声に歌声が重なり合い、それは、長い年月決して気持ちが通うことのなかった父娘の、心の重なり合いの楽の音となって、今は穏やかな父親の顔となって娘の肩に背中に手をまわし、父は静かに娘を迎え入れた。 アカデミー賞を獲るかどうかで随分話題になった映画だが、映画が出来て100余年、アカデミー賞という俗な営みを超越した監督がいたっていいはずだ。彼やキューブリックのように。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)ナム太郎[*] 水那岐[*] べーたん フランチェスコ[*]

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