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[コメント] 遠い空の向こうに(1999/米)

科学系少年の夢がいっぱいの作品。時代の進化と共に廃れる産業も有れば適応する産業も有る。時代の移り変わりによる栄枯盛衰を技術者の目線で描いた秀作。
さいた

この物語は国家の威信を描いたものでもなければ、技術の発達による戦争の悲劇を描いたものではありません。ソ連の人工衛星スプートニクの周回軌道を目の当たりにしたアメリカの少年が、宇宙に夢を抱いてロケット開発に着手する物語なのです。そこにはソ連に向けた対抗意識なんてありません。そう、ソ連もアメリカもないのです。ただ単に人類初の人口衛星スプートニクと言う存在に明るい未来を感じ取った少年の夢があるだけなのです。

現実的には宇宙開発が国家による戦略、そして戦争の道具として技術促進している事も確かでしょう。しかし宇宙開発が気象衛星や通信衛星のように、人類にとって有意義になる点も数多くあります。本作品は後者の技術の有意義な存在意義、人類の夢を描いたものだと思います。

僕は美術系の人間で技術者の事は全く分かりませんが、少しでも人々の便利な生活を守る為に技術者には頑張ってもらいたいのです。技術者は政治家ではありません。ただ単に技術の向上を目指す人達で良いと思います。倫理は技術者が決めるものではく、世論が決めるものだと思うからです。僕達が現在の便利な生活ができるのも、技術者による未知への探求心があってこそだと思います。

さて、ストーリー構成についてですが、主人公以外のロケット開発に関わった友達の影が薄い事が唯一の欠点と言えなくもありませんが、この物語自体が事実を基に創られた作品なので、多少周りの友達の描き方が薄くても問題は無いと思います。この作品はあくまでも主人公が体験した事しか描いてないのですから、周りで起こった出来事は描けなくて当然なのです。仮に全てが架空の物語だとしたら構成力が無いと言われても致し方ありませんが本作はその限りではないのです。

最後に。人類の未来永劫を願って技術者にエールを贈りつつレビューを締めさせて頂きます。頑張れ!技術者!

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (8 人)林田乃丞[*] Pino☆[*] evergreen[*] Myurakz[*] mimiうさぎ[*] * m[*] peacefullife[*]

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