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[コメント] オーケストラ!(2009/仏)

ラスト12分。指揮者とソリストの無言のコミュニケーション。暗黒の歴史と、和解と、秘密。語らずとも理解し得る音楽の素晴らしさ。数ある楽団もの、音楽映画のカテゴリで突出している。個人的には「アマデウス」の次くらい。
まー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







誰もが楽団の再生、ありがちな成長の物語を予想したでしょう。

「ブラス!」にしても「コーラスライン」にしても

「シャイン」にしても「スウィングガールズ」にしても、

音楽映画って、そのパフォーマーがいかに上手くなるか?優勝するか?

というベクトルになりがち。

つまりそれは、人々が演奏している画とその音楽が持っている力を

最大限有効にするためのシナリオの正攻法だからだ。

しかし、設定上、負い目のあるこのなりすまし楽団の身分が解消すべきは、

もっと別の深く悲しく真摯な目的だった。

前半のドタバタコメディー調と、後半の歴史にまつわるシリアス調のコントラストが抜群。

親子なのかな?というミスリードと、「レナのために」というメールできちんと集まってくる楽団員たちの絆。

うまい!

すげえ!

ラストの高揚感へむかって怒涛のようにチャイコフスキーが、

あの大音量で僕の心臓を揺さぶったのでした。

邦題が少し気に食わんが。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)makoto7774 tkcrows[*]

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