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[コメント] すずめの戸締まり(2022/日)

なんかジブリっぽい、というか宮崎駿っぽい、というのが鑑賞直後にまず出てきた感想。すでに指摘されていると思うが、もののけ姫+ハウルって感じ。
緑雨

何の予備知識もなく観たのだが、最初のうちは廃墟を通じて過疎化や人口減少に着目したテーマ性なのかと思った。が、次第に震災による喪失を悼む展開へと広がっていく。

かつて在った平穏で幸福な日常という意味で、新海誠にとっては、両者が通底すると捉えているのだろうが、個人的にはやや意味合いが違うような気もする。なので若干腹に落ち切らない面もありつつ、ロードムービーの過程で、次第にスコープが広く深くなっていくのは物語構築としては成功しているように思う。というか、神話ベースなので、我々にとっては馴染みやすい安定感がどこかに漂っている。

どうしてあのネコが「ダイジン」なの?とか、なんで懐メロ?とか、ところどころの違和感と、前述の通り既視感を覚えるところがありながらも、「閉じ師」「後ろ戸」といったコンセプト構築のユニークな魅力に引っ張られていく。

日本の風土の多様性を、美しくそして時に切なく描くアニメーションとしての完成度はさすがと思う。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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