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[コメント] その男ゾルバ(1964/米=ギリシャ)

ゾルバが最初持っていた楽器、サントゥーリの弾いている所を観たかった―シーンカットか?‘ビルの街’の住人は安易に自然児に憧れるが、彼は甘くなく本当にしたたかだ。私は彼らより彼女らに目が行った。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







マダムと未亡人だ。

マダムの過去は語られる。某国の高官とか将軍とかの‘現地妻’―要はそんな女の半生だ。そして今はもう老女になっている、という設定が優れている。 彼女は決してみじめではない (この映画の誰もがみじめではない)が、結婚のエピソードは―やはり結婚には憧れていたんだと思うと―本当に可哀想だった。

もう1人の未亡人の過去は全く語られない。この地の者だが家族が死に絶え、この地に来た外人と結婚したが突然の事故で夫を喪った、とか推測はいくつでも出来そうだが、バジルと関係を持ったことから(いや、持たなくても)、この島から出て行きたかったのは明らかだ。

そして、この2人の‘よそ者女’に対する田舎社会の醜悪さ、その人々の狭小さ、非情さに半ば呆然とした。

蛇足ですが、出演者ロールに「クレタ島の人々」と有った。よく承知したな、と思う。

(評価:★5)

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