「人間の心の中には悪魔が住んでいる」といわれるが、それは正常な心のすぐ横にあり、何かのきっかけで人はそちらへすぐに移ってしまう。 　更には「誘惑の甘き香り」といわれるように、一旦そちらに身を置くとだんだんとのめり込んで行ってしまう。それが幸か不幸かは、また別の問題。

　この映画を、ナチは一つの要因であり、その何かの要因で今までとは違う人生（繰り返すがそれがいいのか悪いのかは又別の問題）を生きていく二人の物語だと思った。

　最後まで逃げなかったルチアを見ていてそう思った。