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[コメント] SAWADA 青森からベトナムへ ピュリツァー賞カメラマン沢田教一の生と死(1997/日)

ドキュメンタリーというのは対象にもよるが、心理操作的要素がどうしてもぬぐいきれないものなので、好きではない。事実のすべての側面に光を当てたというのならそれは驕りというものだろう。
KEI

沢田の人生、生き様、すべてを写し取ったかというと疑問は残るだろう。

が、非難するのが本意ではないので、この映画の良い点を挙げたい。2点。1点は兵士が一人も写っていない戦場写真「安全への逃避」、これを撮った沢田の感性はプロだろうし、やはり天才だったのだろうなということが十分伝わってきたという事。もう1点は、「戦争は地獄だ」なんて一言でよく言い表されるが、それがヒシヒシと感じられたという事。表現は悪いが戦争ライブというか生の迫力は違うと痛感させられた。

また、「古今通じて、カメラマンが自由に戦場に入って何でも撮れたのはベトナム戦争だけ」というのは興味深かった。今後の戦争、紛争は当事者政府の圧力で撮影も容易ではないだろう。そう考えると、これらの戦場写真は貴重であり、それを題材にしたこの映画作品も貴重といえる。

好きではないドキュメンタリーではあったが、久しぶりに「戦争」「戦場」を見れて良かった。

(評価:★4)

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