[コメント] 偶然(1981/ポーランド)
人生は偶然の積み重なりか。人は時計の針を戻すことができないからこそ、過去の過ち、責任を引きずって生きていくしかない。
しかしこの「偶然」の中で起こる偶然は、それぞれ余りにも異なる路をたどることになる。
「偶然」の中で起こる偶然は、それぞれ余りにも異なる路をたどることになる。
列車に乗れた、乗れない、が彼の人生を左右したように一見すると思えるが、
実際に彼の人生を左右したのは、彼と出会った「人」だろう。
劇中でも彼は「接する人により人生が変わる」的なことを言われているが、
まさに誰の人生にとっても、自分以外の人間によって全く違う人生になる。
そして、その「出会い」を決定するのは、他でもない、
「偶然」
なのかもしれない。
「自分はこう生きたい」というビジョンがあり、計画通りに人生を歩むとしても、
必ずそこには他者との「出会い」があり、少なからず影響を受ける。
3通りの彼の人生を描くことにより、人生は自ら切り開いているのではなく、
他者との共存により、「ただ生かされている」という無力な「人間」が浮かび上がっている、とても深い作品だと思った。
ただ、2時間近くの作品の中に3通りの人間の人生を描くと言う行為は勿体無く、
細やかな「他者との関係」「からみ」のようなものを描いていれば、もっともっと
見ごたえのある作品になったのではないか。
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