[コメント] 赤い橋の下のぬるい水(2001/日)
老境の今村昌平、遂に慈母観音の胎内に回帰す!「旨いものを喰って好きなだけ女を抱く。他に何があるか?」今村の叫びは嬰児の産声と変わり、そして極楽浄土へと達する。
垂直に立ち昇り虹を描くぬるい羊水のなかで、今村の憑依した役所広司は体を丸め、総てを捨てて女陰のなかへ沈んでゆく…日本の風俗と性の歓喜を描きつづけた巨匠が、「ハイ、これでお仕舞い。ご退屈さま」とペコリと頭を下げて向こうを向いた瞬間、彼が仏像に姿を変えたように見えた。
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