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[コメント] PERFECT BLUE(1997/日)

執拗に繰り返されるダブル・ミーニング。その中でもヴァージニティを永遠に保たねばならないヒロインとして、江口寿史の「かわいい」少女が選ばれたのはある意味必然だったのかもしれない。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







およそアイドルと親衛隊というもの、そして顔の見分けのつかない美少女まんがというものに嫌悪感しか抱いたことのない自分にとって、観始めたときの印象は最悪であった。「可愛い無個性なアイドルを襲うパラノイアックなマニアの話か?」と。

だが、観続けるにあたってこれが実写のアイドルでは務まらない事実に気がつく。あるいは強姦され(これは演技だが)、あるいは陰毛を露出させられ、あるいは鮮血に塗れる。日本でこんな演技を強要されてなお少女アイドルの笑顔を保ち続けられる女優がいるだろうか。そして、アイドルとしての登場時に、いわゆるぽっちゃりした日本人体型とアイドルルックのミスマッチに失笑を禁じ得なかった事実は、そのままアイドルになりきった狂える太ったマネージャーの醜悪なる恐怖に連結するのだ。陳腐なキャラクターを逆手にとって、ここまで観るものの心胆を寒からしめた作品はあるまい。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)DSCH ジャイアント白田

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