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[コメント] ハプニング(2008/米)

シーン作りのうまさで90分間緊張を絶やさず見せきるシンプルなディザスター・ムービー。設定よりも、今回がシャマランのホラー演出が生きた。(2009.05.16.)
Keita

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他のコメンテータ様のレビューを読むまで、ネガティブな思考がまったく浮かんでこないのだから、僕はシャマランの映画がそれだけ好きなのだと思う。

シャマランは何よりも見せ方がうまいのだ。単純にカメラの構図として、シーンの作り方として、うまい。実は、そういう監督がいまは少ないように思う。CG全盛の時代である分、力技で持っていけるという部分もあるからだ。シャマランの映画でももちろんCGは使われているが、彼が敬愛するヒッチコックのような、映画という表現を巧みに利用したシーン構成で、じわじわと不安や恐怖を根付かせる演出には、毎回感心させられるほどだ。

例えば、車が木に衝突して、降りてきた男が座り込んで自殺をするというシーン。DVDでのメイキング映像でも見せているが、ワンシーンワンカットのように見せるために、かなりの時間を費やしている。ワンシーンワンカットによる効果を絶対に出したいと願ったシャマランは、CGと伝統的な映画の手法をうまく組み合わせている。技アリといった感じであろう。

総合的に見て至ってシンプルな映画であるが、シャマランの演出によって90分間緊迫感絶やさず観ることが出来た。シャマラン映画にしては、謎めいたクリーチャーが出てこない分、ホラーとして楽しみやすいのではなかろうか。ディザスター・ムービーとして、このぐらい要素そぎ落としたものがあっても良いだろう。

(評価:★4)

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