[コメント] ボウリング・フォー・コロンバイン(2002/カナダ=米)
ドキュメンタリーとしては外道も良い所。でも、そうでもしないと語れない問題が・・・。
カメラが追うべき活動家が監督本人であるというのはあまり望ましい事とは思えない。ハッキリ言って、こんなのは実在の人物達を素材にしているだけで、自分の主張を固めさせているようにしか見えない。この作品を通して、マイケル・ムーア監督の人間的に弱い所はまるで見えて来ず、彼の知的な喋りとユーモラスな性格が強調された形になっている。実際は、アカデミー授賞式なり何なりでの彼の発言などを見れば、彼の短所など明白で、映画の中の彼ほど知的でもない。それはもちろんマスメディアを通じて映される姿ではあるけれど、映画の彼とはまた違う姿である訳だ。この監督、なかなかの曲者である。
しかし、そんな事が許されてしまうほどに現実は暗い。こんなにおかしな状態に何故今まで気付かなかったのか?いや、何時まで気付こうとしないのか?気長に一から聞き出して考え始める猶予などもはや与えられていないのだ。しきりに「何故だろう?」と言いながらムーアは次の言葉を既に用意している。でも、それで良いのだ。
目的のために手段は選ばない、この映画は本気で戦っている。
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