使い古された「１セリフ」と著名アニメの題名を掛けて展開しただけの思いつき映画（最後のセリフ予想ついちゃったよ・・タメイキ）。

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（追記）

これ以上書くつもりもなかったのだが・・「嫌いなものを嫌い」とただ書いて逃げるのは良くないと思い、立ち戻る。

この映画は、最後の一言に支配されている。

逆に言えば、この一言を発端にストーリ全体を構築している。見ている間に何度か「？」の部分もあったが、最後の一言ですべて解決された。「あぁ、これがやりたかったのね」。

キーを握り締め、ひたすら追う女を書いてもいい（追いかけるが対象そのものではなく、自分を映し出す鏡なのだよと主張しても。壮大な自己満足の世界を描いても。ホントはプロセスこそが「本質」なんだよと主張しても）。それなら、そういう人間をとことん描いてください。「追いかける」ことに千年懸ける銀幕のヒロインは、追いかけたり、追いかけるのをやめたり、そんな中途半端なことはしない。

ファンの視線から「女優」を熱く描いているにも関わらず、映画作者の主人公に対する愛情が感じられない作品。（なのに、あんなキャッチつけて！（怒））

『PerfectBlue』もそうだが、今監督は人間を記号化して描き、見事な方程式を作り上げる。その手腕は見事だと思う。しかし、記号自身について深く言及することはない。その点、「人間情緒を敢えて描かない」と言い切る押井守にスタンスは似ている。しかし（主観的意見として）違うのは、その記号に対する愛情だ。押井氏は「描かん」といいつつも、おっさんに対しての愛情が溢れ出ている。さて、今氏の作品からは・・？私は『PerfectBlue』からも本作品からも受け取れなかった。寧ろ、女性に対しての一種の憎悪さえ感じてしまう。

ロケット発射シーンと追いかけるシーン（あくまでも絵）が良かっただけに、尻つぼみでがっかり。