[コメント] 帝都物語(1988/日)
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はっきり言って嶋田久作の顔しか覚えていない。周りも、ほとんどの人間は帝都××を知っているが、嶋田久作の顔しか覚えていない。
(再見後)・・・こんな話だったのかぁ。ベテラン俳優、人気俳優、美人女優、ロボット、特撮、見どころ満載!!・・・えぇ、真の敵は将門だったのか?!
・・しかし、原作は知らないが、とにかくオールスター勢ぞろいで人気者沢山出せば何とかなるだろう的に大風呂敷を広げたはいいが、何だかよく分からないうちに終わってしまった。震災シーン前までは、都市論を展開させるのか? などという淡い期待があったが、単なるハッタリだった。(←このネタ、この設定で追求させていったらかなり面白いストーリになったと思うんだが。)ロボット登場シーンにはズッコケそうになった。「鬼に対抗するなら・・人間じゃない人間、人造人間を使うのだ!!」と石田純一に叫ばれても、そりゃギャグだ・・・それならそうと、そういう世界観を最初に作っておいてくれなきゃ、行き当たりばったりにしか見えない。
ほとんど無名の役者がすべてをかっさらい、その役者に救われた。当たり役を得た役者の底力を見る。実相寺昭雄の特撮に嶋田久作が唯一、張っている!!
・・だからこそ、嶋田久作 VS 原田美枝子 の構図を、もっとしっかりと見たかった。ロボットも将門も、不要。しかしまあ、監督も、嶋田久作がここまでの存在感になるとは見抜けなかったのかもしれないが。
・・・などと、グダグダと文句ばかり垂れてきたが、実はこういうお祭り騒ぎのような映画は嫌いではない。時代の勢いを感じ、少々ノスタルジーに浸ってしまう。最後にきゅっと袋とじにまとめないと何かを忘れているようにソワソワしてしまう今の感覚も、やはり時代を反映した結果なのかもしれない。
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(最後にかなりどうでもいい蛇足)
冒頭辺、振動の共鳴の話で、「片方が東京なら、同じ地層上にあるもう片方は・・?」「そりゃ、大連にきまっとろうが!!」
・・という掛け合い・・真面目に意味分かりません。こういうのは、もっともらしいウソが書けてナンボだと思うのですが、<きまっとろうが!>で逃げるとは、あまりに手を抜いちゃいませんか?
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