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[コメント] アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022/米)

トランプ、レーガンどもが偉そうにしてるようじゃーアメリカもおしまいだぜという怒りが、個人史の喪失や絶望と重なるのはうまい。現代にも繋がってる。当然解決はなくモヤモヤするが、高級な映画はモヤモヤさせてくれるものだ。
ペンクロフ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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ポールもジョニーも女の子など眼中にない思春期以前の子供だが、子供だって傷つき、失い、へし折られる。その痛みは時に大人以上だ。ちょっとだけ『マイマイ新子と千年の魔法』を連想したんだよな、ちょっとだけな。お爺ちゃんの存在とかな。アンソニー・ホプキンスをいい役で使うのはもう反則だよな。いいに決まってんだもんな。

だんだんと父親より母親のほうがヤバいと判ってくるのも怖くていい。父親は強権と暴力を振るうけど、1980年のオヤジなんてあんなもんだ。母親はポールの今後の人生でいちいち邪魔になりそうで心配だ。見た目がアン・ハサウェイだからええやろという問題ではない。

ポールが夢想する、芸術家として成功した自分の姿がゲスなほど即物的で笑った。ちょっとだけ『新Mr.Boo!アヒルの警備保障』のリッキー・ホイを連想した。子供らしいよな。

モヤモヤするとは言ったものの、人生で何と闘い生きるのかを決めてトランプ学校を出ていくラストは地味ながら爽快感がある。さらば少年の日よ、というやつである。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ゑぎ[*]

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