[コメント] 木靴の樹(1978/伊=仏)
ドキュメンタリーを見ているかのような自然さは、本物の農耕者である出演者の生活の営みそのものが切り取られているからだ。イタリアの片田舎の風景を自然光のみで見せた撮影を含め、才人エルマンノ・オルミが作り出した奇跡としか呼びようがない大傑作。
なんでもこの脚本は、彼が映画監督になる前(1950年頃)からあたためられていたものらしい。ベースとなったのは彼の祖母の話だそうだ。そんなことを聞くと、彼は本当に素晴らしい恩返しをしたのだなと思う。
そんな彼に関して、日本で知ることができる情報量は明らかに少ない。何でも90年代以降はキリスト教への傾倒があからさまな作品を取り続けているらしいが、宗教的な考えは別として、彼の映画なら見てみたいと思ってしまうのは私だけなのだろうか。
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