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[コメント] 料理長〈シェフ〉殿、御用心(1978/米)

最高の美女や各国の名優、『シャレード』コンビの脚色、音楽、キューブリックの右腕による撮影等、本編の料理を映画に変えるなら誰もが殺されるであろう当時の旬を携え作られた愛すべき喜劇。
ナム太郎

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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ソフトな色調に彩られた撮影。印象的でありながら決して邪魔にはならない音楽の調べ。次々と殺人が起こっても重くならない、楽しく洒落た台詞の数々。ロバート・モーリーをはじめとする役者陣の軽妙なやり取り等、個人技の妙に魅せられる、特に昭和を知る世代にはTVの洋画劇場の定番作品としても懐かしい愛すべき作品だが、これらスタッフの中で不幸にも? 生き残ってしまうであろう人が、こともあろうに料理長たるコッチェフ監督その人であるところが本作の痛いところ。これをワイルダーみたいな人が撮っていたらどれほどの傑作になったことかと何度思ったことか。

しかし、それでも本作が一種のカルトムービーとして珍重されるのは(そして個人的にも高い点数を付けているのは)、当時最高の美女と謳われたビセットの、まさに旬の美しさが余すところなく記録されているからであることは間違いない。それほど本作の彼女はファンの中でも別格なのである。

正直、他の料理はともかく、彼女が作る「爆弾ケーキ」は全然美味しそうに見えず、まったくもって物語の着地点のための小道具にしか思えないのだが、それでもいい、彼女の作るケーキなら一度は食べてみたいと思ってしまう。そこしかないが、そこがよい。

(評価:★4)

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