ラブコメと、一括りに呼ぶのはどうももったいない気がするこの映画。正直、そんなに一般ウケするとも思えないこの雰囲気。どこかシュールなこの感じ。『マグノリア』ともマタ違ったこの感覚。うむ、見終わって俺はニヤニヤとキモイ笑いが止まらなかった。

（大勢の）五月蝿い姉に囲まれ情緒不安定ですぐ切れる。社会に適応できずに、「ツマリトレール（謎）」を売りながらプリンを買い込むわけのわからん野郎。恋なんてしてる訳もなく・・・・なある日強烈な一目惚れ（パンチドランク・ラブ）。

しかしまぁ、そこにテレフォンセックスも絡んできて、主人公はぶち切れ寸前。金もとられるし、恋も思うように進展させられない。

そんな一触即発の、ヒステリックにぶつぶつと訳の分らない主人公を前面に押し出したこの作りのお陰で、他のラブコメとはまた違ったシュールな味わいのある作品に仕上がっていた。この一触即発の緊張感（？）溢れる雰囲気と、ベタなラブコメ演出で俺は終始やられっぱなし。特に、音楽と映像のセンスが逸品で、神経を逆撫でするようなヒステリックな主人公を描いている半面で、甘ったるいラブロマンスを展開させてくれる。

そして恋のパワーで力がみなぎって、受話器持って殴り込み！もう最高。一人で大爆笑していました。

何もかも、全ての問題がさっぱり解決し、ラブコメの行く末＝甘い結末に落ち着いた時、俺の顔はにやけっぱなし。

ヒステリックな主人公のヒステリーな部分を前面に押し出した結果、こんな甘ったるくてシュールなラブコメになっちゃいました、と。一部じゃ不評みたいだけど、俺は好きだ。

ただ、よく言うラブコメって奴じゃなく、何か１８０度違ったラブコメって感じがするので、そりゃ見る人を選ぶだろう。

そりゃこんな神経逆撫でしてるような雰囲気のラブコメは好きって人はそう居ない・・・かも。