[コメント] タイガーランド(2000/米)
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まず、…コリンファレルだろう。ハリウッドにおいて、「新たに主役級の演技派が生まれた」といっても過言ではない。所詮は素人観だけれど、あのような気難しい役を演じた魅せた彼を、演技派と言わずに何と言おう。あの「ごんぶと眉毛」にしては意外にチャーミングな顔も好きだ(笑
ベトナム戦争映画は星の数ほどあるけれど、この映画は視点そのものが良い。胡散臭い説教でもなく、鑑賞者が実際に戦地へ赴いているかのような仮想空間で魅せる内容でもない(個人的に最も該当するのは前者『シン・レッド・ライン』後者『プライベート・ライアン』だと思っている)。この映画は違った。今まで感じたことのないプロットだった。ひたすら訓練、訓練、訓練。ここは脚本における濃い中身が発揮される。内部事情に精通した主人公ボズと、同じ部隊の仲間達(それが例え上辺であっても仲間なのだ)、厳しい上官との交流。良い意味でも、悪い意味でも「交流」だ。まさに戦地から押し寄せる重圧が彼らに圧し掛かっている。勿論、上官達にも圧し掛かっていた。後半、タイガーランドでの訓練は、その一種の緊張感を一緒に体感できる。
つまり、主人公ボズの感情の交錯が主軸ではないということ…だと個人的には思う。戦争のプレッシャーが「除隊志願のマイキー」「大切な人を故郷に残してきたパクストン」「復讐を目論むウィルソン」「任務を遂行したいトマス」から感じ取ることが出来る。無論、「脱走を諦め、部隊に合流し、自問自答を繰り返すボズ」もそうだ。
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