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[コメント] 50回目のファースト・キス(2004/米)

アダム・サンドラーコメディの最高傑作かも。クドイ笑いとお下品なところがあっても温かいのは全てがアダム。満面の笑みも絶叫する姿も全てがドリュー。記憶を面白いようにいじくる脚本が本当にニクいし、何よりも話の落とし方としては一流。
ナッシュ13

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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アダムが設立した製作会社ハッピー・マディソンと、ドリューが設立した製作会社フラワー・フィルムズが手掛けるこの作品。もちろん2人とも製作総指揮に名を連ねるという本気ぶり。2人が作品をかなり惚れ込んでいる様子はスクリーンからひしひしと伝わってくる。映画の域を越えて、この2人は相性ばっちりなのだ。

ウェディング・シンガー』よりも人を愛することの本質に迫った内容で、とてもシンプル。ヘンリーからルーシーへの愛もそうだが、父親と弟ダグのルーシーへ対する愛情という意味でもよく描けている(他にもカフェのメンバーからルーシーへ。ヘンリーから動物達へ…などなど)。

面白いのは、ファーストデートの「繰り返し」ではないということ。「積み重ね」なのである。確かにルーシーにとっては意識せずとも毎日が同じ一日だが(正確には同じ一日“だった”が)、ヘンリーにとっては昨日あってこその新しい一日なのだ。何とかして明日に繋げよう、彼女の内面に入り込もうと躍起する。すると、まずはルーシーの父親と弟ダグが「積み重ね」であることをヘンリーから気付かされるのだ。これまでは日課のように行っていた(おかしな)行動がヘンリーから感化されたことによって考え方が変わってくる。ルーシーもヘンリーに出会った日には必ずビーチ・ボーイズを口ずさみ、ストーリーも後半になると「あ、何か違う」と思わせるような、これまでと違った印象を受けることが出来る。本来なら彼女は記憶障害なのだから考え難いんだが、この辺がロマンティックで温かい。

ラストは一流。ラブコメにありがちなオチを予想していただけに仰天…。温かくなったし嬉しくもなったし泣きたくもなった。また、エンドロールにあるアダムのメッセージには心打たれる。この作品が本当に好きなんだろう。だからこそ、あそこでメッセージを送ることが出来る。

アダム映画ではお馴染みのロブ・シュナイダーがかなりアホで見応え十分だし、ステロイドバカのショーン・アスティンも最高(ショーンはイメージ崩れる!笑)。またダン・エイクロイドも医師役で出演していたり、何かとSNL色の強い作品でもあった。コメディな要素が生き生きとしているからロマンスに感動できる。

良作。

(評価:★5)

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