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[コメント] アメリカン・スプレンダー(2003/米)

ダメ親父に「発想の転換」の重要性を学ぶ。堕落した日常、暗闇の中に輝く一筋の光!それがコミックであったり自虐であったり、はたまた運命の女性ジョイスであったりするのだ。本人が度々登場するという手法も嬉しい。クスクス笑える秀作だっ
ナッシュ13

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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脇役俳優ポール・ジアマッティ、見事なハマリ役!もうね、ハービーを演じるには彼しか居ないのではないか…というくらい良かった。低予算のインディペンデント系のインディーズ作にして、いくつもの映画祭で賞賛を浴びた作品。まさに観終えて、それらの受賞が納得できるという出来だった。

暗闇に佇む親父達は、今も昔も大量にいるはず。その中の、いち親父にすぎないハービーの半生が描かれている。やはり特筆すべきは、このダメ親父は単なるダメ親父ではなかったという点である。

ハッキリ言えば幸運の持ち主だろうし、また、コメントにも記したように「発想の転換」に優れた人物でもあるのだ。幸運というのは、やはり彼がしてきた一期一会の出会いのことだ。漫画家のクラムを始め、不思議な性格の持ち主(自閉症ギリギリ…という表現は不適切だが思わず苦笑)のトビー、そして運命の女性であるジョイスだ。素晴らしい出会いをしたからこそ、自らを犠牲にして商売道具に出来たのだろうし“この”映画も製作できたわけで(笑)。

そんな親父、人生の選択肢。まさに発想の転換の連続。

(ジョイスが2週間留守にしたとき、ハービーは荒れに荒れまくった。番組では暴言を吐いて降板させられる始末。愛情を全面に出すタイプではないが心からジョイスを愛していたんだろう…。と、こういう何気ないエピソードがとても多く、ハービーの人物像が徐々に完璧なものへとなっていく。仕舞いには本人とスクリーンの中の彼が同化してるしね!これには驚き)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ねこすけ[*] プロキオン14 わっこ[*]

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