[コメント] 探偵はBARにいる(2011/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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最近とんと行かなくなったススキノ。映像でニッカの顔が出現するだけで体の芯からほとばしる何か懐かしさと共に過ぎ去った青春の残り香をかぐ。
さて、映画の方はというと、そもそもこの映像は昭和のレトロを求めているかのように粗い粒子が印象的。今や当たり前になったデジタルではなく完全アナログの世界。物語も当然古き良き時代を求めたアナログっぽいものになっている。バーでの黒電話の存在がまさにこの映画そのものを物語っている。
この映画はミステリーである。本格ミステリーは誰が犯人かということである。その意味では本格なのであろう。意外な犯人を持ってくるためにあちこち仕組まれた布石。なかなかこ憎いほどうまいが、、。
小雪をファムファタールにする設定はなかなかのもの。僕は吉高由里子のトリックに惑わされてしまった。彼女を追い詰めた時の熱い涙で初めて真相を知るというミステリーファンらしきないことをやってしまったが、小説ではスルー出来ても、映画では少々無理めいていることも感じてしまうシーンも所々見受けられた。
でも、俳優陣がとても豪華だね。あのなつかしきカルメン・マキまで登場させて、この制作陣は本当に大したものだよ。高嶋政伸のキモサはただものではないし、安藤玉恵の飛んだ演技はこの映画が完全B級を目指していることを証明するものだ。 でも、最後まで一人だけこの映画で浮いていたのは西田敏行かな、、。重要なキーマンの役柄だけに作品的にもちょっと邪魔。
最後にこの主役の二人、確かにいいコンビだ。でもやはりこの映画の主役は札幌ですね。その煙る雪を見るにつけ、遠く過ぎ去りし日の青春のアツイ思いを今や老いさらばえたこの胸にそっとしまいこむ。
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