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[コメント] サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS(2001/日)

「映像(編集)」「音楽」「言葉」。全てが一丸となって語りかけてくるとは、なんとも饒舌な映画。それはもう、鑑賞中にコチラが想像する余地まで埋め尽くす勢い。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







しかもその饒舌振りが、さぞかし素晴らしいハーモニーを聴かせてくれるのかと思いきや、「映像」も「音楽」も「言葉」も全く同じ事を、同じ調子で語りかけてくる。まるで合唱団が声を束にして同じ節を歌っているようなクドさ。こういうのを声高な映画と言うんだろうな。

「サトラレだって人間です」とか言いながらも、等身大の男の子というよりは、イノセントな聖人みたいな描かれ方をしていたように思える。ラストで彼を訪れるために病院でひしめき合う患者を見つつ、「要はサトラレが受け入れられたのではなく、彼があんな人物だから受け入れられただけ」のような気もする。しかも本当の意味での「受け入れ」とは少々ズレがあるような。唯一面白いと思えたのは、見えないオリの中の「サトラレ」を描いていながらも、実際様々な嘘で規制を課して、自らの心をオリの中に閉じこめているのは、周りの人間なんじゃないか、と思わせられたトコロ。

ともあれサトラレが受け入れられるか否かなんてこと以前に、「雑念」も「邪念」も聞こえてこない人物には、到底感情移入なんぞできません。

(評価:★2)

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