映像スタイルが受け付けないって言ってるワケじゃないんです。猟奇犯罪だろうが、葛藤劇だろうが、サスペンスを下地にしながらも、映像に内容が負けてて、しかも映像自体に意味深い秘密なぞありゃしないんだから、あのチラつき映像がそう言われてもしかたないと思うんですが・・・。映像スタイルだけで見せる映画だったら、他にもっとふさわしい題材見つけて下さい。

中身的にはほとんど皆様が指摘している事に同意です。ツッコミどころはいろいろあるけど、犯人の行動にカリスマ性が感じられないのが何しろ致命的。指紋まで消しときながら簡単に尻尾はつかまれるし、回を重ねるごとに７つの大罪は杜撰になってくし（ミゼラブル様のおっしゃる通り、パーフェクトな仕事とは思えん）・・・。あっさり犯人を登場させといて、そんな中途半端な男に付き合わされなきゃいかんのかい？そりゃないだろ、てなもんだ。

酸鼻極まる死体を舐めるように見せるのも、ただ観客の脳裡に焼き付けることだけしか考えてないという事では、これまたサブリミナル的。見せつけることに何か意味があるのかどーなのか、考えつつ見てたがほとんどナシと判定。ホラーじゃないんだから、死体映像に力入れてもしょうがないと思うのだが・・・。猟奇犯罪とはいえ、度が過ぎるし安易過ぎる。なので見せないことで想像を膨らませるテクを知らないのか？と疑ってかかってもみる（最後は見せなかったけど）。

結論。内容の弱さを監督が知ってるのかどーかはさて置き、映像で観客をかく乱させときながら、フタを開けたら中身がチンプだったって感じですか。とりあえず映像と後味悪いラストでグッタリさせて、中身も吟味しないうちにコチラに５点か１点叩き出させる魂胆だな！？そうはいくまい、映画的には普通にチンプな２点止まりデス。