まず、ストーリー。気軽にブッシュの名前（と新聞の写真）を使うが、イラク戦争のあとでは、すべてがうそ臭い。大体、戦闘機を開発したのはアメリカ！っていってるわけだし、すでにそこで物語の「正当性」が破綻してるし、「兵器が盗まれ、悪者が世界の巨悪に売りつけようとする話」なんて、まるで新鮮味がない。

さらにファムケ・ヤンセンの設定が、本当にありきたり。頭痛くなりそうだった。工夫してあるな、と思ったのは、カルロスを登場させて、どっちが裏切り者か混乱させることと、カルロスの濃い〜キャラが光を放つ。

アクションも、この上なくショボかった。まず冒頭の雪崩シーン。「天山山脈」といっておいて、まるでそのスケールなかったし、雪崩も史上最低レベル。『トリプルＸ』までいかないにしても、もう少し何とかならないものか。

次にオーウェン・ウィルソンのアクション自体、どうしても『シャンハイヌーン』などと比べてしまうが、練りに練られたジャッキー作品の足元にも及ばない。特に、人vs人になると、本当に無残。

スパイグッズ自体も、『スパイキッズ』を思いっきりローテクにした感じ。

エディー・マーフィーは、一人がんばってたと思うが、この中では浮いてしまってる気がする。