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[コメント] トロイ(2004/米)

この4点は、エリック・バナに。しかし、ヘレン役のダイアン・クルーガーは『ミシェル・ヴァイヨン』の女レーサーだったことには、全く気づきませんでした(読み方が仏/英の違いがあるし。)
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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ブラピは、だんだん「デルトロ」に似てきた(髪型のせい?)。で、『ファイト・クラブ』の時にも思ったけど、「筋肉ナルシスト」&「見せたがり」ではなかろうか(これはトム・クルーズにもいえる。なまじ美形俳優の頂点に立ってしまったがために、肉体の加齢を「ビルトアップ」で繕っている印象が僕には感じられる)。ならば、いちいち尻まで見せなくてもと思うが、必要以上に脱ぐシーンが突出して多いのは、ブラピ本人の意思にもみえる。

「アキレス」という役は、ブラピ向けではないのかもしれないけれど、戦闘シーンなどの戦士としての部分はがんばっていたと思います。肉体だけでなく「殺陣」の要素まであり、そっちに目を見張りました(たしか、この撮影中に彼は骨折してるはず)。ただし、ブリセウスに関係するシーンでは、どうもピンとこない。そのせいで「孤高のヒーロー」というより「自己中なエロ」に映る。

今回、一番おいしい役回りだった「ヘクトル」のエリック・バナ。前宣伝では「ブラピ VS オーランド・ブルーム」みたいな感じだったが、どっこい、バナが一番かっこいい。アキレスが「攻める男」だとすれば、ヘクトルは「守る男」。この映画の中で「愛」を感じるとすれば、アキレスやパリスのそれではなく、ヘクトルの、妻や弟や、国に対する「守る愛」。とにかく器の大きな「漢」の印象。アキレスが、ヘクトルの亡骸にむせび泣くシーンが、アキレスにとっても最大の「演技の見せ場」になるほど。

で、ヘクトルに敬意を払えば払うほど、「パリス」に対する侮蔑の気持が沸いてくる映画だ。オーランド・ブルームはパンフの中にあるインタビューで、「パリスが<悪役>だから引き受けた」みたいなことが書いてあった。たしかに「指輪」でも「カリブ」でも「好青年」のイメージだったから、それを払拭したかったのではないかと思うが、それが何も今この役でなくってもとも思う。もちろん彼が演じることによって、「期待度」→「ヘタレ」のギャップが、意外性があっていいのかもしれないが。

<追記>死者の目の上にコインを乗せて、弔うシーンが何度も登場した。「ふーん、その時代の風習を再現しているのね。ひとつ勉強になった。」と思っていたら、その時代、まだコインというものは存在していないそうだと、あるTV番組でいっていた。なんだったんだ、アレは?

(評価:★4)

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