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[コメント] ダイ・ハード(1988/米)

これは当時流行っていた「強すぎるヒーロー」へのアンチテーゼにもなっていると思う。テンポも実によい。
甘崎庵

 のっけから主人公も観客も状況が分からない空間に放り込まれる。なにゆえホテル?なにゆえこんなところにきてるの?これはダイ・ハードシリーズを通して貫かれていて、殆ど状況説明がない空間に観客は連れて行かれる。

 そこで起こる銃声と爆破。ここからが本当のストーリーとなる。ここでのウィリスが又、強い。決してマッチョをひけらかす強さではなく、あくまで淡々と、状況判断をして、自分の怖さを克服しつつ。その姿にこそ、感動を覚える。

 こでは決して人間離れしたヒーローではなく、血と肉が通った実物大の人間が描かれている。そこが一番のこの映画の売りではないか?

 壁に体を預け、自分を叱咤激励する姿、歩くのに苦痛を覚え、顔をしかめる仕草。しかもそれを演じるのが冴えない(失礼)中年のおじさん。そこに共感を覚える。

 ただ、不満点もないわけではない。ちょーっとばかし主人公が強すぎたし、あのラストは…

(評価:★5)

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