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[コメント] フェノミナ(1984/伊)

ホラー映画は好きなんだけど、この映画の場合に限り、純粋な「ホラー映画」としてではなく、ジェニファー=コネリーの映画としてしか観られない私…
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 イタリアン・ホラーの代名詞ともなり、売れようと売れまいとあくまでホラーにこだわり続けるジャンル監督のダリオ=アルジェントの代表作の一本。

 美少女(当時は本当に可憐だった)と猟奇事件、それに蛆や蠅と言った気持ち悪い描写を加えた本作は、見事なそのミスマッチにより、大反響を呼んだ。

 本作の売りはなんと言っても妥協のない猟奇描写だが、虫(それも蛆とか蠅とか、まともに見るなら「気持ち悪い」と言われるもの)の使い方が良い。蛆で埋め尽くされた穴に落ち込むとか、恍惚の表情で「みんな、愛してるわよ」の台詞と共に窓一杯に群がる蠅の群とか…どう考えても気持ち悪いとしか思えない異常な描写が、逆にジェニファー=コネリーの可憐さを増していて、恐いはずの映画がむしろ彼女のプロモーション・ヴィデオに見られてしまうほど(あまりのはまり役に、彼女が後にこのイメージを払拭するのにかなり苦労したようだけど)。

 勿論猟奇描写も妥協無く、ハサミで少女がぶっ刺されたり、窓ガラスに後頭部をぶっつけて頭が切断されてしまったり、後頭部から銛を刺され、口から出てくるとか…しっかし不思議なことにこれだけ無茶苦茶な描写をされても、一番最初に思い出すのはコネリーの可憐さだってのが不思議と言っちゃ不思議。

 …ひょっとして、私、随分歪んだ観方してないか?

(評価:★4)

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