[コメント] 三つ数えろ(1946/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
チャンドラーの傑作であり、フィリップ=マーロウを世に送り出した最初の作品「大いなる眠り」の映画化。マーロウ役にハンフリー=ボガートを起用したのは大成功で、ボガートの物腰の良さが、マーロウを下品にするのを上手く抑えていた。
ただ、チャンドラーの小説はストーリーがかなり複雑になるのが特徴で、小説でさえ伏線部分とかがどこにあったのか?と読み返しが必要となる。決して読みやすい作品ではない。それを映画化しようと言うのだから、どうしても単純化せざるを得ないはず…
…と、思ったら、意外にも原作を殆ど変えてない。
ええ?これじゃ原作読んでないと、ストーリーを追うのも大変だよ。原作読んだ身でさえ、一部ついていけなかった位。予備知識なかったら、危機に陥ったマーロウの活躍を見る程度にしか楽しみが無くなってしまうのは問題だけど、まさしく「一見さんお断り」の映画だな。その分原作の雰囲気にはかなり近い。
ただ、ちょっと気になったのは、原作のラストをちょっと変えてしまっていたこと(道理で映画ではカーメンの存在感を低いわけだ)。そのためか。この映画の邦題を『三つ数えろ』としたのは、まさにその変わってしまったラストを表していたのかもしれないな…そう考えると、このタイトルは正しい。
前半部分で、本屋の店員との会話は楽しかった。店番役のマローンの存在感がありすぎたので、配役的には失敗してると思うが、いっそのこと、ストーリーに少し手を入れて、彼女をもっと出してみるべきだったかも知れない。
…コメントの書きにくい映画ってのは確かにある。これも観たのは結構前で、どうにかコメントをひねり出そうとしていたのだが、なかなか書き出すことが出来なかった…やっと曲がりなりにもコメントを入れることが出来たよ。
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