[コメント] 黒いジャガー(1971/米)
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初めてアフリカ系監督によって作られたビッグバジェット作品。ハリウッドシステムからも外れているため、パークス監督の思い通りに作る事ができたと言われる。過激な暴力描写も受けてヒットを記録し、アフリカ系の監督と出演者による過激さが売りの、いわゆるブラックエクスプロイテーションムービーと呼ばれる新たなジャンルの先駆けとなった作品となった。
本作のヒットによって、何作かの続編も作られ、後に『シャフト』としてリメイクもされている。
本作は視聴の対象としたアフリカ系の人達だけでなく、全米でヒットしたが、それは主人公がアフリカ系だからという目新しさというだけではなく、なにより作品の中に描写される過激な暴力描写さとなるだろう。
確かに暴力描写という意味で言うなら、現代のものと較べるとかなりおとなしめだし、割とよく見かけるようなパターンでもある。だがまさにこの作品がその嚆矢となったと考えるならば、かなり感慨深い。
それまでのハリウッドシステムに依れば、暴力とは基本的には正々堂々。少人数対多人数であっても、極端に卑怯な真似はしないとかあるが、何より可能な限り血を流さないというのがあった。しかし本作はかなりリアルな血が流れている。特に後半クライマックスは満身創痍のシャフトが敵をなぎ倒すというシーンであり、敵も味方も血まみれで、なかなかの見所である。このような暴力によって血が流れる描写ってのは、確かに本作から始まったと言えるだろう。
この作品によって、それまで描写を抑えてきたハリウッドもどんどんこう言う過激暴力描写を描くようになっていく。その意味で、現代のハリウッドアクション作品は本作を抜きにして語る事はできない。一見の価値は確かにある作品である。
尚、本作がハリウッド製でないという何よりの証拠は、主人公の名前が男根を示す隠語シャフトというのが一番。
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